2018年8月3日発売/ISBN978-4-908170-17-1
発行・発売:詩想社
定価:本体920円+税
1953年11月23日朝、
あの日、高校三年生だった私は、南海のプロテストを受けるため、
大阪球場のグラウンドに立っていた。
甲子園とは全く無縁で、
スカウトなど来たこともない弱小校の無名選手だった私だが、
「プロ野球選手になる」という夢だけを心の支えに、
無謀にもプロテストに挑んだのだった。
このときから、私のプロ野球界での闘いは始まった。
テスト生としてなんとかプロ入りした私に最初に与えられた役割は、
投手の練習相手として、ただ球を受けるだけの「カベ」役だった。
選手としては誰からも期待されず、
使い捨てのブルペンキャッチャーとして
黙々と投手の球を受けるだけの存在だった私は、
名選手ひしめく球界をいかに這い上がっていったのか。
プロ最下層から夢をつかんだ私自身の物語を初めて明かそう。
素質もない凡人がまわりから一歩抜け出し、
成功をおさめるためのヒントを読み取ってくれたら私はうれしい。
「はじめに」 夢をつかむ人は「何か」持っている
第1章 正しい目標設定が夢を実現する
~私はいかに夢を抱き、どうやってプロ入団をはたしたか
貧困のなかから生まれた夢
人生の分かれ道
夢の支援者
夢をかなえるための正しい目標設定
運命のプロテスト
など・・・
第2章 成功する人だけが知っている努力の「方法」
~プロ最下層から這い上がった一軍昇格までの道
野球ど素人からの挑戦
努力が続く人の「考え方」
この世界は「素質」がすべてなのか
クビ宣告と一塁へのコンバート
指導したくなるように思わせるのがプロの世界
訪れた成功への「きっかけ」
など・・・
第3章 素質のない私が、いかにして「一流」となったか
~凡人が頂点を獲るための「考え方」とは
素質では乗り越えられない壁を、どう超えるか
技術的限界にぶつかっても、落胆する必要はない
三冠王獲得で思い知った「人生の運」
進歩とは変わること
人生は、見ている人は必ずいる
など・・・
第4章 運や素質ではない「何か」が人生を決める
~何か持っている人の「何か」の正体を明かす
正しい目標設定が、夢を近づけてくれる
夢をつかむ「運」と「縁」の引き寄せ方
夢を追い続ける情熱の育て方
など・・・
野村克也(のむら かつや)
野村克也(のむら かつや)
1935年、京都府生まれ。54年、京都府立峰山高校卒業。南海ホークスへテスト生で入団。4年目に本塁打王。65年、戦後初の三冠王(史上2人目)。MVP5度、首位打者1度、本塁打王9度、打点王7度。ベストナイン19回、ゴールデングラブ賞1回。70年、南海ホークス監督(捕手兼任)に就任。73年、パ・リーグ優勝。のちにロッテ・オリオンズ、西武ライオンズでプレー。80年に45歳で現役引退。90年、ヤクルトスワローズ監督に就任、4度優勝(日本一3度)。99年から3年間、阪神タイガース監督。2002年から社会人野球・シダックスのゼネラル・マネジャー兼監督。06年から09年、東北楽天ゴールデンイーグルス監督。『野村ノート』(小学館)、『なぜか結果を出す人の理由』(集英社)、『言葉一つで、人は変わる』『プロ野球 奇人変人列伝』(詩想社)など著書多数。